もしも、同僚が「ノーベル物理学賞を受賞した研究室にいました」みたいな理系集団だったら|翔泳社の本
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もしも、同僚が「ノーベル物理学賞を受賞した研究室にいました」みたいな理系集団だったら 2015.02.05

 『楽しいR』は、フリーの統計解析ツール「R」を使って、ビジネスに役立つデータ分析の初歩を紹介している本です。

著者の豊澤栄治さんは、金融機関で機関投資家向けに金融工学を活用したコンサルティングを行った後、ファンドマネジャーとして2000億円超の年金資産を運用。現在、マーケティングの世界でデータ分析をしています。

 これだけ見ると「華麗な転職をしたスゴイ人」と思われるかもしれませんが、実は「住所不定、無職、自称ミュージシャン」からデータ分析の世界へ入りました。「ノーベル物理学賞を受賞した研究室にいました」「ドクター持ってます(理系で)」「趣味は数学です」というのが普通の理系集団の中にいた豊澤さんは、わからないことがあっても「とても聞ける雰囲気ではなかった」と語っています。

 そんなアウェーな環境で、仕事をしながら大学院で数学の勉強をし、上司のコードを読みながらデータ分析のスキルを身に付けた豊澤さんは「わからない人の気持ちが、痛いほどわかる」人でもあります。

 この本は、Rをインストールして、サンプルデータとコマンドの一覧をダウンロードすれば、コマンドをコピペして実行するだけで、相関分析、回帰分析、ロジスティック回帰といった分析を行うことができます。Rはキレイなグラフを一瞬で出力してくれるので、なんだか自分が「デキるひと」になったような気分になります。

 そして、この本を読み終えたときには、「もっと統計やデータ分析の勉強がしたい」という気持ちになっていると思います(そうなっていただけたらうれしいです)。

 豊澤さんは、「数字に対するリテラシーというのは一生の武器になる。何か物事を進める時に、勘と経験と度胸の“KKD”だけじゃなく、きちんと説得力を持たせられるツールになり得る。そういう意味でもRはおすすめです」と話していました(詳しくは、本書収録の対談をご覧ください)。

 今年こそ、データ分析の勉強をしようと思っている方は、「楽しいR」をぜひ手に取ってみてください。

■ 豊澤さんのインタビューを『MarkeZine』にて公開しています
データの扱い方・読み方がわかる! 実践的なビジネスデータ分析の入門書『楽しいR』著者インタビュー
http://markezine.jp/article/detail/21802

いうら