特別ゲスト

ITエンジニア本大賞2025の受賞作品の著者・編集者であるであるお二人からおすすめ本をご紹介いただいています。また、2/19に開催されるプレゼン大会へも特別ゲストとして参加いただきます。

野溝 のみぞう(のみぞ のみぞう)さん

合同会社SecuLeap 代表
趣味でセキュリティをやっている者です。代表を名乗ったらかっこいいと思って会社をつくりました。「7日間でハッキングをはじめる本」著者。同作品にてITエンジニア本大賞2025・審査員特別賞の受賞、サイバーセキュリティアワード2025書籍部門優秀賞を受賞。

野溝 のみぞうさんおすすめの本

ハッキング・ラボのつくりかた 完全版 仮想環境におけるハッカー体験学習

ハッキング本の金字塔であり、自分だけの「ハッキング・ラボ」を作るというロマンを実現できる本。私は前作の「ハッキング・ラボのつくりかた」がきっかけでハッキングの世界に入門して現在に至るので、非常に思い入れのある本です。本作「ハッキング・ラボのつくりかた 完全版」は内容が最新の情報に一新されて、さらにパワーアップされています。導入から実践演習まで丁寧で、机上の知識だけじゃ物足りない人がワクワクしながらスキルを身につけられます。めちゃくちゃ分厚くて大変ですが、一歩ずつ進めば必ず達成感が得られる骨太本。

体験しながら学ぶ ネットワーク技術入門

ひとくちに「ITエンジニア」といってもいろんな領域の方がいますよね。しかし、全員が知っておいた方がいい知識もある気がしていて、個人的にはネットワーク(TCP/IP)に関する知識もそのひとつではないかと思っています。本書はスイッチ・ルーター・ファイアウォール・ロードバランサーなどの機器を配置したネットワーク検証環境を使い、実際に手を動かしてキャプチャしたパケットを見ながらしくみを学ぶことができます。OSI参照モデルの下から順番に上がってくる感覚もすごくハラオチできて気持ちいいです。セットアップもとても簡単で始めやすく、それでいてワクワクできる本。

スマホ時代の哲学 失われた孤独をめぐる冒険

最近、情報過多で疲れてないですか。私は疲れています。そんな方にふんわりがっつり自分の思考を広げるきっかけをくれる本です。正直、感想が非常に書きにくい本でもあるのですが、もし読んでない方は読んで一緒に思考のモヤモヤを抱えてみませんか。いまは情報が溢れていて、いろんなことにすぐはっきりとした答えを出すことが求められる時代です。ともすれば、自分の代わりにAIが考えてくれたり、むしろどうやってAIに考えさせるのかという方法論がもてはやされがちです。だからこそ、よくわからない謎や問いをもに答えを出さず抱えながら、そして自分と対話しながら生きていくことの尊さみたいものに気づかせてくれる本。

宮本 沙織(みやもと さおり)さん

日経BP 書籍編集者
大学卒業後、複数の出版社を経て日経BPへ。主な担当書籍は、『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』ほか「ベストセラー100冊」シリーズ、『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』『THIRD MILLENNIUM THINKING アメリカ最高峰大学の人気講義』『神と科学 世界は「何」を信じてきたのか』など。「タイトルが長くなりがち」なのが悩み。猫好き。

宮本 沙織さんおすすめの本

#100日チャレンジ 毎日連続100本アプリを作ったら人生が変わった

大学4年生の著者が、チャットGPTを使って100日間、毎日1本新しいアプリ(作品)を作ってXへの投稿を実施。本書はその100日間を追った「AI駆動型プログラミング学習探究記」です。冒頭では、無気力で怠け者に見えた著者。しかし、「生成AIは確かにコードを書いてくれるけれど、やりたいことを実現するためには、中身を理解し手を加えていかなければいけない」と気づき、徐々にのめりこんでいく様が面白い。プログラミングにハマるほどに、論文執筆や学会、就職など、リアル面も充実していく。何かを学び、人生を切り開いていくとはどういうことなのかを考えるきっかけとなる1冊です。

事実はなぜ人の意見を変えられないのか 説得力と影響力の科学

昨今、「ファクトベースで」「データドリブンで」と言われることが増えました。しかし、他人を説得したいとき、ときに事実は何の役にも立たないどころか、かえって逆効果になってしまうこともあるといいます。本書では、その理由が脳にあること、そして脳がどのような特徴を持っているのかを、認知神経科学を切り口に、実例や実験結果をもとに教えてくれます。自分がいかに事実を「自分の都合よく」解釈しているか。無自覚に他人からの影響を受けているか。前回、大賞をいただいた『「何回説明しても伝わらない」はなぜ起こるのか?』(今井むつみ著)と合わせて読んでいただくと、さらに理解が深まります。

エレガントな毒の吐き方 脳科学と京都人に学ぶ「言いにくいことを賢く伝える」技術

私たち人間には、本能的に、相手を言い負かしたい、白黒はっきりつけてスッキリしたいという欲求があるといいます。今日だけ、今回限りの相手ならば、それもいいのかもしれ ません。しかし上司や同僚、家族や親戚、ママ友やご近所さんなど、日々、仕事や暮らしの中で接する相手だとそうはいっていられません。はっきりと伝えてしまえば角が立つ。 でも、飲み込み続けるのはつらい。そんなときに役に立つ「相手をいらだたせずに、自分も“もやもや”を飲み込まない大人の上手な伝え方」を教えてくれる本です。

投票する