本書は、独立行政法人 情報処理推進機構 ソフトウェア・エンジニアリング・センター(SEC)の組込みソフトウェア・エンジニアリング領域で検討を進めてきた「組込みソフトウェア向け開発プロセス」(ESPR)をまとめたものである。わが国の組込みソフトウェアは、この数年で急激に規模・種類とも増加した結果、開発作業が煩雑化し現場で混乱をきたしているケースが見られるようになっている。本書は、組込みソフトウェアを開発する上で必要となる作業や基本動作を現場の技術者の方にもわかりやすいかたちで体系的に整理した。組織、プロジェクト、個人の作業を見なおし、それぞれに適したより効率的な開発スタイルを作り上げるための指針となる。今回の改訂では、システム開発プロセスやシステム安全プロセスの追加など、約100ページにおよぶ増補が行われた。
Part 1 解説編
1.1 開発プロセスとは
1.2 開発プロセスガイドの目的と位置づけ
1.3 想定する利用者・利用方法と得られる効果
1.4 開発プロセスガイドの構造
1.5 本ガイドの利用に関する注意事項など
1.6 関連する規格など
Part 2 技術編
2.1 全体構成
2.2 プロセス定義書
2.3 ドキュメント・テンプレート例
Part 3 活用編
3.1 活用の手順
3.2 組織/部門の開発プロセスの整備
3.3 開発プロジェクトの工程設計
3.4 開発プロジェクトの作業計画(工程設計の詳細化)
付録
付録 1 用語
付録 2 規格対応表(本ガイド―X0160)
付録 3 アクティビティ/タスク/サブタスク一覧
付録 4 ESPR Ver.1.0からの変更点
kaizen@名古屋de朝活読書会 さん
2014-04-02
組込みソフトウェアを何に組込むかで開発作業手順に大きな違いがある。試作と量産用で大きな違いがある。時間に制約されないプロセスの定義と、時間軸に移した工程設計を分けるような努力をしたという。安全なシステム構築の際にシステムの要求を先に決めるか、安全要求を先に決めるかは、システムによる。順番かのような矢印が図に存在しているのは残念。仕立て(tailoring)の例としては、一つの具体例に基づいて、時間軸上に書き下してある方が、一般的な記述よりも役立つ。一般的な定義は時間軸上に書き下さない見方もできるとよい。