「色の物語」シリーズ第二弾は「ピンク(ROSE)」
華やかさの裏側にあるものとは?

仏語で「ROSE」はピンク色・薔薇色を指します。女の子の色、女性らしさの象徴というステレオタイプに関連して扱われがちなピンクですが、過去には権力者の色だった時代もありました。皇帝ヘリオガバルスによる凶悪な薔薇の逸話を知っていますか?



本書は、ピンク色を用いた著名な美術作品のビジュアルを多数紹介しながら、ピンクと美術作品の切っても切れない関係を、気鋭のフランス人美術史研究家が解説します。ボッティチェッリによる美の理想・ヴィーナスや、モネの光が醸す憂鬱なハーモニー。現代では、モードやポップカルチャーと結びつき、力強い存在感を放ちます。魅惑的な薔薇色(ROSE)に彩られた著名な美術作品とともに、名だたる巨匠たちが好んだ力強さと官能の色の秘密を解き明かします。






「色の物語」シリーズとは

その色はどこから来て、どこへ向かうのか。古今東西文明のなかで、さまざまな意図で使われてきた「色」の歴史とストーリー、影響力を、名だたるアート作品の美しいビジュアルでたどります。地図や図解、年表等のグラフィックも豊富に盛り込み、多彩な角度からの解説が特徴です。好評既刊「青」、本書「ピンク」に続き、「黒」「赤」「ゴールド」の刊行を予定しています。




■書籍概要
『色の物語 ピンク』
原著者:ヘイリー・エドワーズ=デュジャルダン
翻訳:丸山 有美
発売日:2024年3月18日
定価:3,300円(本体3,000円+税10%)
判型:B5変・108ページ
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798181165

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・Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4798181161


■目次
アートにおけるピンク/ピンクの世界地図/ピンクのヴァリエーション

ピンクを知るために
地上の父と決別する聖フランチェスコ(サセッタ)/ヴィーナスの誕生(サンドロ・ボッティチェッリ)/軍神マルスに扮したアンリ4世の肖像(ジェイコブ・ビュネル)/福音記者聖ヨハネ(エル・グレコ)/ジュピターに誘惑されるカリスト(フランソワ・ブーシェ)/櫛(喜多川歌麿)/ぶらんこ(ジャン=オノレ・フラゴナール)/エトワール、または舞台の踊り子(エドガー・ドガ)/セーヌ川に沈む夕陽(クロード・モネ)/野心をいだく女(ジェームズ・ティソ)/ヘリオガバルスの薔薇(ローレンス・アルマ=タデマ)/タヒチの女たち(ポール・ゴーギャン)/アヴィニョンの娘たち(パブロ・ピカソ)/アンティーブ、薔薇色の雲(ポール・シニャック)/30歳、または薔薇色の人生(ラウル・デュフィ)/囲まれた島々(クリスト&ジャンヌ=クロード)/Be Calm(ルイーズ・ブルジョワ)/An Homage to Monopink 1960 A(村上 隆)

ピンクをもっと知るために
ミイラ肖像画:首飾りの女性/レンティの聖母(カルロ・クリヴェッリ)/カルミニャーノの訪問(ヤコポ・ダ・ポントルモ)/聖バルトロマイ(アーニョロ・ブロンズィーノ)/スコットランド女王メアリーの肖像(フランソワ・クルーエ)/ピンクの騎士(ジョヴァンニ・バッティスタ・モローニ)/シャー・ジャハーンのアルバム(チタルマン)/悔悛するマグダラのマリア(グイド・レーニ)/リボンで飾られた花瓶(セーヴル工房)/ダンジヴィレ伯爵の肖像(ジョセフ=シフレッド・デュプレシス)/ピンクのドミノ(ジョン・ハンフリーズ・ジョンストン)/ポプリ(ハーバート・ジェームズ・ドレイパー)/6人の踊り子(エルンスト・ルートヴィヒ・キルヒナー)/グールゴー男爵夫人の肖像(マリー・ローランサン)/ピンクの貝より(ジョージア・オキーフ)/国境に立つ自画像(フリーダ・カーロ)/支え棒、薔薇(ワシリー・カンディンスキー)/ポラロイド・ダイアリー(エヴァ&アデル)/Just Love Me(トレイシー・エミン)


■著者プロフィール
ヘイリー・エドワーズ=デュジャルダン
美術史・モード史研究家。エコール・デュ・ルーヴル、ロンドン・カレッジ・オブ・ファッション卒業。アートとファッション、装飾美術、建築、モード写真、アイデンティティと社会問題におけるファッションの位置づけに関して研究と執筆を行う。キュレーター、ライターとして、ヴィクトリア&アルヴァート美術館の調査事業や展覧会に協力するほか、個人コレクター向けのコンサルタントとしても活躍。ギ・ラロッシュのアーカイヴスの創設を手がけた。
パリでモード史、ファッション理論の教鞭をとる。

■翻訳者プロフィール
丸山 有美 まるやま あみ
フランス語翻訳者・編集者。フランスで日本語講師を経験後、日本で芸術家秘書、シナリオライターや日仏2 か国語podcastの制作・出演などを経て、2008年から2016年までフランス語学習とフランス語圏文化に関する唯一の月刊誌「ふらんす」(白水社)の編集長。2016年よりフリーランス。
ローカライズやブランディングまで含めた各種フランス語文書の翻訳、インタビュー、イベント企画、イラスト制作などを行う。