特別サポーター

ITエンジニア本大賞2023の受賞作品の著者であるお二人からおすすめ本をご紹介いただいています。

仙塲 大也(せんば だいや)さん

株式会社スタメン アプリケーションアーキテクト
大手電機からWeb業界へ転身し、アプリケーションアーキテクトとしてリファクタリングや設計全般を推進する業務に従事。 暇さえあれば脳内でリファクタリングしている。 技術書部門大賞を受賞した『良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門』著者。 登壇実績多数。Developers Summitベストスピーカー賞など受賞多数。 X(旧Twitter)ではミノ駆動(@MinoDriven)と名乗り、悪しきコードによる弊害を風刺した『クソコード動画』を不定期で投稿。

仙塲さんおすすめの本

単体テストの考え方/使い方 プロジェクトの持続可能な成長を実現するための戦略

開発生産性を高める上でテストコードは重要ですが、テストコードを上手く書けず品質がなかなか上がらないことにお悩みの方は少なくないと思います。 この本ではテストコードの良い例と悪い例をもとに、高品質な単体テストを設計するためのノウハウを重厚に解説しています。 テストだけでなく、変更容易性の高めるためのさまざまな設計技法について、テストを通じて学べる点も素晴らしいです。 テストを失敗せずにリファクタリング遂行可能な度合いを表す「リファクタリング耐性」について解説しているのが個人的にアツいです。

プログラマー脳 ~優れたプログラマーになるための認知科学に基づくアプローチ

複雑なコードを読み解く、要件を把握する、新しいフレームワークや言語の仕様を学び採り入れる……。 我々の仕事は日々こうした頭脳労働でいっぱいです。 情報処理の観点から記憶や思考などの脳の働きや知性について理解を目指す研究分野を認知科学と呼びます。 脳がどう記憶しているか、物事をどう認識しているかなどの認知科学に基づき、 効率良くコードを読み解く方法や脳にやさしいコードの書き方、命名方法、スキルアップ方法などのノウハウを、この本は解説しています。 私は記憶力が良い方ではないので、認知負荷をかけない設計実装を心がけています。 その点において、より認知負荷を下げて快適な開発していくための深い洞察がこの本で得られ、学びになりました。

ちょうぜつソフトウェア設計入門――PHPで理解するオブジェクト指向の活用

コンピューターが発明されて以来、ソフトウェアを楽に正しく変更する設計手法や効率よく開発する手法が先人たちによって考案されてきました。 SOLID原則などの各種原則、テスト駆動開発やアジャイル開発といった開発手法です。 こうした仕組みや手法は、何らかの課題を解決するためのものです。 ところが用語だけがひとり歩きし、本質を理解しないままに採り入れて、開発に十分に活用できていないということが少なからずあります。 この本は、歴史的経緯や背景を踏まえながら設計手法や開発手法それぞれがどんな課題を解決するものであるかを解説しています。 「この原則って何のためのものだったんだっけ?」そんな迷いが生じたときに、いつでも確認しに行けるのが本書の強みだと考えます。

解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法

我々は仕事において、何らかの顧客課題や技術課題を解決することで対価を得ています。 しかし課題の理解が不十分だと、良き解決方法を考案できません。顧客ニーズを満たせない的外れなプロダクトになってしまったり、技術課題を適切に解決できないちぐはぐなシステムになってしまいます。 この本は、深さ、広さ、構造、時間の4視点をベースに課題を細かく分析し、理解の解像度を高める方法を解説しています。 仕事の価値をより高め洗練させる上で、すべての方にオススメできます。 また、システム構造の設計にも応用可能な知見が網羅されている点においてもオススメです。

バーチャル美少女ねむ(ばーちゃるびしょうじょねむ)さん

VTuber、作家、メタバース文化エバンジェリスト
黎明期の仮想世界に生きるメタバース原住民にして、その文化を伝える「メタバース文化エバンジェリスト」 2017年から活動している自称・世界最古の個人系VTuber。作家としても活動し、解説本『メタバース進化論(技術評論社)』で「ITエンジニア本大賞2023」ビジネス書部門"大賞"を受賞。官庁にもメタバース政策に関する情報提供やアドバイスを行い、大学や各種学術イベントでも講演活動を行っている。

バーチャル美少女ねむさんおすすめの本

イーロン・マスク(上・下)

人類の限界を超えたイノベーションを成し遂げるには、悪魔の力が必要なのか。謎に包まれたイーロン・マスクの真の姿を明らかにすべく、ベストセラー伝記作家・アイザックソン氏が二年間の密着取材を敢行。数々の偉業の舞台裏エピソードや関係者インタビューの数々から、徐々にその行動原理が浮かび上がる。壮大なプロジェクトと世間を巻き込むはた迷惑な行動の裏に一貫するのは、「人類を救う」という"使命感"。そして他者には一切共感せず、自分にも他人にも「進化の痛み(リスク)」を求める、悪魔のような"残虐性"。本人公認にも関わらず、欠点や悪いところも赤裸々に語られた、怖くなるほどスリリングなノンフィクションだ。

2050年 世界人口大減少

マクロな経済や社会の在り方に決定的な影響を与える人口問題だが、本書は徹底してリアリスティックな考察から、人類に前代未聞の人口大減少が迫っていることを明らかにする。発展途上国でも既に急速な出生率の低下が始まっており、2050年頃に世界人口のピークが訪れるという。人類が発展の末に手に入れた優雅な都市生活と平等な社会が、皮肉にも不可逆な人口減少のトリガーとなる。人口動態の変化から、それぞれの国がこれから辿るであろう未来の歴史が語られる。日本は高齢化先進国のモデルケースとして詳しく分析され、「移民の受け入れ」か、「衰退」か、究極の二択が迫られる。

ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング Webマーケティングの成果を最大化する83の方法

人類全体がクリエイターとして経済参加する「クリエイターエコノミー」が急激に進展する昨今、個人でもマーケティングの理解が必須になりつつある。本書は、マーケティングで情報を最適化することで世界をより良くしよう、という哲学のもと書かれている。ユーザーと商品を徹底的に理解し、どうすれば人の感情を揺さぶることができるのか探求する「ファンダメンタルズマーケティング」 そして、ロジカルなデータ分析である「テクニカルマーケティング」の実践的な手法が明かされる。オンラインのマーケティングの舞台が今後Webからメタバースに移っても変わらない、小手先のテクニックではない、普遍的な極意を学ぶことができる。

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