パソコン音痴がIT系出版社に来てみたら|翔泳社の本
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パソコン音痴がIT系出版社に来てみたら 2013.09.06

 今年3月、某老舗ビジネス書版元から翔泳社へと転職しました。

 転職して驚いたのが、社内のさまざまなシステムがIT化されていたことです。それまでの会社は、ほとんどのものが紙による管理というアナログな形だったため、その違いが際立ちます。

 一例を挙げると、以前の会社では、毎朝出勤すると出勤簿にハンコを押し、残業をした際にはその時間を記入しました。経費の精算は、紙に支払いの用途と金額、領収書を添付し、経理に持っていくとその都度、その金額が手渡しで支払われます。

 他にも、連絡事項は紙での回覧など、紙文化(?)が生きている会社でした。

 それに対し、翔泳社では多くの会社がそうであるように、こういったことはすべてコンピュータ上で管理しています。そのため、入社当初は「経費の精算がPC上でできるんだ!」「備品はバーコードをスキャンして持っていくんだ!」などと、いちいち感動し、前の会社の同僚に会った際には自慢していたほどです。

 もちろん、急にIT環境に飛び込んだことによる戸惑いもあります。私自身は、もともとパソコンは大の苦手。エクセルやパワポはほとんど使えません。ブラインドタッチは言うに及ばず、キーボードも両手の人差し指と中指の4本のみを使ってタッチするほどです。

 こんなパソコン音痴の私ですから、四苦八苦の毎日です。特に頭を悩ませているのが、著者の方の連絡先などの入力です。以前の会社では、著者の方の連絡先や原稿料などの振込先は紙でファイリングしています。それに対し翔泳社では、それらを管理するコンピュータ上のシステムがあり、そこに情報を入力していきます。

 入力するだけならば簡単では、と思われるかもしれませんが、このシステムが曲者です。システム内にはさまざまなページがあるため、目的のページがどこにあるのか、初めのうちは皆目見当がつきません。

 「こっちのページに行けばいいのかな」「このページに行けば目的のページがあるだろう」とあちこちのページに飛んでみるものの、樹海に迷い込んだごとく、いつまで経っても目的地にたどり着けません。これにはいまだに慣れることができず、紙の時代を懐かしく感じてしまいます。

 音楽の音痴は、自分の歌声を録音し、発声の方法や呼吸法を見直すなど、歌い方に慣れていけば克服できるといいます。パソコン音痴の私も「習うより慣れよ」の精神で、システムと上手に付き合っていければと考えています。

はせがわ