翔泳社 採用情報

確固たるブランドの上で成り立つ自由こそ仕事の幅を広げ、自分を成長させる

代表取締役社長 佐々木 幹夫

役に立つ情報を、媒体問わず最適な手段で提供する

現在の翔泳社は、出版だけでなくWebメディアの運営やイベントなども手がけているので、一見すると一貫性がないように思えるかもしれません。でも、私は基本的には、世の中の人に役に立ち、かつ翔泳社の発展につながることなら、挑戦するべきだと考えているんです。

そもそも100人も社員がいれば、仕事に対する考えや働く意義もそれぞれ違って当然です。出版業だけにこだわることにはあまり意味がないし、本を宝物のように扱うのも私は違うと思っています。

それは、世の中の人の立場に立ってみれば、当然のことでしょう。今、何かについて勉強したいと思ったら、Webやセミナーをはじめ、本以外にもいろいろな方法がありますよね。だから、翔泳社がさまざまな媒体・手段で「役立つ」情報を提供することは、社会的に意義があることだと思います。

ただし、会社が発展するなら、無節操に何でもやればいいというものではありません。アイドルの本を作って当ててくれてもいいんですが、翔泳社としてあまり突拍子もないことをすると、次に続かないことが多い。それはつまり、翔泳社のブランドに合致していないということなんです。

翔泳社という会社は、決して社員だけから成り立っているわけではなく、書店さんや読者が抱いているイメージも含めて世の中に存在しています。それは、基本的にエンターテインメントやフィクションのジャンルは扱わず、首尾一貫して「役に立つ」「何かを解決できる」情報を提供する、というものです。これからどんなに規模が大きくなったとしても、総合出版社を目指すのではなく、今扱っているITをはじめとするいくつかのテーマについて非常に強いという個性を持った会社でありたい。そのビジョンがぶれてしまうと、世の中における翔泳社のイメージが凡庸としてきてしまいます。

確固たるブランドがあるからこそ、たとえばたまに旅行の本を出せば「最近ちょっと変わったことをしているんだな」と興味を持ってもらえるわけです。何でもできるから自由なのではなく、しっかりとしたブランドがあるから、少し離れたところに挑戦する自由が得られるのだと私は考えています。

自ら求めれば、道は拓かれ、実力がついてくる

第二新卒、中途に限らず、なるべく社内にいない、型にはまらない人を採用したいと考えています。言い換えれば、型にはまった一律の社員教育が難しいという側面もあります。もちろん、それぞれの部門で研修を導入したり、先輩たちが教えたりはしていますが、基本的には自分から求めていかないと何も起こりません。ただ座っていても、誰も指示をしてくれませんから。

そういう社風なので、自分で必死にがんばって仕事のスキルをものにしようとする姿勢がないと、つらいかもしれませんね。逆に、求めさえすればいくらでも道は拓けます。現に、今いる社員たちはそうやって自分の仕事を極めて、編集なり営業なりイベント運営なり、それぞれの分野で濃いものを作り上げてくれている。そういう環境は整っていますね。

業績の向上に貢献した者に与えられる「社長賞」授与式の様子。

何かを突き詰めた経験がある人なら、別に高い学歴や編集経験がなくても、水が合うでしょうね。人間、何かを手に入れたいと思ったら必死になって考えますよね。その経験は、対象が変わっても活きるはずです。仕事上である種のスペシャリストになろうと思ったら、自分でがむしゃらに道を切り拓いていく姿勢がなくては始まりません。

この数年間に、翔泳社には大小さまざまな事業が生まれていますが、それらのほとんどは、社員の誰かが「やってみたい」と言い出したものです。そういう場合、私は「事業になりそうならいいけど、でも1人だよ」と返す。すると大抵、「1人でもいい」と言うので、「じゃあ最後までやりなさい」と背中を押してきたまでの話です。もちろん、形にならなかったものもたくさんありますが、現在の主力事業になっているものも少なくありません。

とはいえ、編集歴3年目の若手が20年目のベテランにそう簡単に追いつけるわけはないし、企画にダメ出しをされても何がダメなのか分からなくて当然です。経験だけがすべてではありませんが、こなした仕事の量からしか得られない価値は絶対的にあります。

でも、だからこそ、どういう努力をしたら先輩と同じ土俵に上がれるようになるのか、自分で考えていかなければいけません。とにかく毎日本屋に行って、見た装丁の数だけは追いついてやろう、という程度でもいい。ダメ出しされてめげている暇があったら、どうしたら先輩に追いつき、追い越せるのか、思いついたことから動いていける人は頼もしいですね。

未知との出会いが器を大きくする

社会人として、1人の大人として、好きなことだけやっていればいいわけではありませんよね。矛盾するようですが、新しく入ってきてくださる方には、「何でもやりなさい」と言いたいと思います。選り好みせず、目の前の仕事にはとにかく必死で取り組むべきだし、先輩のアドバイスに疑問を覚えたとしても、やってみたほうが理解が早い。

私も、社長になる前には、デザイナー、営業、生産管理など、いろいろな職種を経験しました。何をやっても、おもしろかったですね。自分の目の前にまだ知らない世界が広がっているのが楽しいんでしょう。

そもそも、自分がすでに知っている範囲や考えている領域、関心の方向は、チープなものだと思うんです。だから、自分の器をより大きくするには、自分の意志ではなく、強制的に何かに出会うという経験も必要ではないでしょうか。

ただしこれは、受身になって流されることとは違います。自分が好きなものを大事にするのは結構なことだけど、それだけではもったいない。新しい人や出来事と出会うことで、また新しい何が生まれる。それが、いろいろな人が集まる会社が持つ、1つの価値ですよね。

だから、これから私たちの仲間になる人たちには、自分が求めていることを手に入れようとするまっすぐな姿勢を持ちながらも、自分の希望に沿う・沿わないにかかわらず、楽しみながら、さまざまな仕事に取り組んでいただきたいと思います。