コンピュータ関連書籍を発行する出版社7社が加盟する「コンピュータ出版販売研究機構(略称:CPU)」では、この度、2020年度におけるコンピュータ書籍の書店別販売実績ランキングを含む、第11回CPU大賞を発表いたしました。
1、 全国書店ランキング (2020年4月~2021年3月までの1年間におけるコンピュータ書籍の販売実績により上位店を表彰)

4年ぶりにジュンク堂書店池袋本店が1位を奪取!

【第1位】 ジュンク堂書店池袋本店(東京都) (販売冊数61,966冊 前期比91.1%)
【第2位】 紀伊國屋書店新宿本店(東京都)(販売冊数54,726冊 前期比72.6%)
【第3位】 丸善丸の内本店(東京都)(販売冊数41,581冊 前期比80.5%)

コロナ禍により、営業自粛および営業時間の短縮などで集客の制約を受けている書店が多い中、特に通勤時・通学時での購入契機が多かった「主要ターミナル駅の大型店」の実績は非常に厳しいものがあった。その中で、ジュンク堂書店池袋本店は、コンピュータ書の強い書店である事をあらためて証明し、売上減も1桁%台で踏みとどまった。これにより4年ぶりとなる1位の座に輝いている。
上位10位以内においては、MARUZEN&ジュンク堂書店梅田店が前年8位から7位へ(前年比93.2%)ランクアップし、丸善博多店が前年16位から9位(前期比98.7%)となりベスト10入りを果たすなど、若干の入れ替わりが見られた。但し、ベスト10位内すべての店舗が前期比を割る実績となっている。

一方、ベスト100位内においては、前年度を越える実績を残した書店は46店舗で、その中で「2ケタ以上」の伸びを示した書店が24店舗であった。ジュンク堂書店藤沢店(前期比113.3%)、ジュンク堂書店那覇店(前期比118.3%)、MARUZEN京都本店(前期比133.3%)、金沢ビーンズ明文堂(前期比127.3%)、コーチャンフォー新川通り店(前期比129.2%)、MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店(前期比130.3%)などは、昨今の社会情勢を考慮すれば、非常に評価が高い店舗と言える。
 

棚分類コード別で見る「伸長ジャンル」について

CPUが手掛ける「棚分類コード」において、各種コード別に各社実績の合計を調べたところ、今後もさらに広がりが期待できるジャンルは、伸長率順に「Python(前期比151.9%)」、「ITパスポート(前期比124.5%)」、「クリエイティブ(前期比120.6%)」「情報処理試験(前期比117.5%)」、「Excel(前期比106.6%)」、「JavaScript(前期比101.1%)などの6つのジャンルであった。

なお、テレワーク関連書のほぼ全てが2020年度の発行のため、数値上では前年度との比較はできないが、2020年度で一番の伸長ジャンルは「リモートワーク、Zoom、Teamsなど」のキーワードおよびジャンルであった事は間違いないと言える。
一方、「人工知能(前期比82.5%)」、「子どもプログラミング(前期比92.2%)」などは、ジャンルとしては成熟期に入っており、各社からの新刊発行点数も落ち着いてきているため沈静化している状況とも読める結果となった。

 

ジャンル名 分類コード 前期比
Python B2-23 151.9%
子どもプログラミング B2-52,D1-12 92.2%
Excel B3-03 106.6%
クリエイティブ B4-01 120.6%
JavaScript B6-02 101.1%
人工知能 B8-01,B8-02 82.5%
情報処理試験 H1-01 117.5%
IT パスポート H1-01 124.5%

 

 
2、 書籍部門(全国の主要書店のコンピュータ書担当者171名に投票いただき、評価された新刊書籍を表彰)

「スペースキーで見た目を整えるのはやめなさい~8割の社会人が見落とす
資料作成のキホン/技術評論社 刊」が、ジャンルを跨いで売上に貢献。


【第1位】
『スペースキーで見た目を整えるのはやめなさい~8割の社会人が見落とす資料作成のキホン/技術評論社 刊』
▼書店担当者が選んだ理由:
  • 売上ダントツNo.1!内容もさることながら、何よりタイトル!お客様の手に取らせるパッケージの巧さがある。
  • 表紙を見たときに自分の事を言われているのかと思った。お客さんに紹介したくなる一冊。
  • SNSでの反響も凄まじく、話題性があった。
【第2位】 『見てわかる、迷わず決まる配色アイデア3色だけでセンスのいい色/インプレス 刊』
【第3位】 『あたらしい、あしらい。 あしらいに着目したデザインレイアウトの本/ソシム 刊』
【第4位】 『ゼロからはじめるZoom 基本&便利技/技術評論社 刊』
【第5位】 『できるテレワーク入門 在宅勤務の導入・実践に役立つ本/インプレス 刊』

上位に入選している書籍は、いずれもコンピュータ書でありながら、話題書コーナーやデザイン書棚など、他ジャンルでの展開を行うことで、幅広い購買層の目に留まったことが売上を伸ばした要因と思われる。また、日々変化している社会情勢にいち早く対応したテレワーク関連書など、購買者のニーズに合った書籍が大きく評価された。
 
※コンピュータ書籍 書店別 売上ランキングの集計方法および対象期間について
「コンピュータ書籍 書店別 売上ランキング」(2020年度)は、CPU加盟会社7社より提出された売上冊数の合計で算出しています。
各社の売上は各社が独自に集計した売上データです。今回発表した2020年度のランキングは、2020年4月から2021年3月までの1年間を対象としています。この期間中に開店した新規店舗、同じく閉店した店舗については1年間の売上でないことから基本的に除外しています。また、7社の売上データが揃わない店舗や、諸事情により正確な集計ができていないと思われる店舗については除外しています。
 

3、【第11回 CPU大賞 受賞一覧】
①売上部門:1年間(2020年4月~2021年3月)のコンピュータ書籍の販売実績から上位3書店を表彰
※販売実績はCPU加盟社が独自に集計した売上冊数の合計です。

【第1位】ジュンク堂書店 池袋本店(東京都)
【第2位】紀伊國屋書店 新宿本店(東京都)
【第3位】丸善 丸の内本店(東京都)
 
②書店部門:コンピュータ書籍の販売における取り組みにおいて、創意工夫や際立った努力が見られた書店を表彰
・今年度該当なし

③新人部門:フェアや情報活用などコンピュータ書の販売を積極的に取り組んで頂いた新人担当者(コンピュータ書を担当して3年以内)を表彰
・今年度該当なし
 
④関西支部部門:関西地区のコンピュータ書籍の販売における取り組みにおいて、創意工夫や際立った努力が見られた書店を表彰
・今年度該当なし
 
⑤青年団部門:CPU加盟出版社の商品を積極的に展開/販売いただいた店舗を表彰
・今年度該当なし

※上記②~⑤は全国書店の営業状況が首都圏や地方により異なり、また、各社の営業活動も制限された中で、選出における公平性を担保できないために「該当なし」としています。
 
⑥書籍部門:全国主要書店コンピュータ担当者に投票いただき、評価された新刊書籍を表彰 ※2020年3月発表
・『スペースキーで見た目を整えるのはやめなさい~8割の社会人が見落とす資料作成のキホン』
(ISBN:978-4-297-11274-5)
発売:株式会社技術評論社  著者:四禮 静子 


4、【棚分類コードの改訂について】

CPUでは、コンピュータ書の変化しやすいトレンドへの対応として、定期的に棚分類コードを改訂しています。
これは、全国の書店が自店の棚整理・売上分析などに有用なものとなっており、現在も継続して活用いただいています。7月にパンフレットを作成、全国の書店への送付を予定しています。

以上
 

【コンピュータ出版販売研究機構(CPU)】
コンピュータ出版販売研究機構(略称CPU)は、コンピュータ書の円滑なる流通を促進し、販売の効率化と向上を目指すことを目的に設立。会長は、松下寿彦(SBクリエイティブ)。
加盟会社:インプレス、SBクリエイティブ、技術評論社、秀和システム、翔泳社、マイナビ出版、ソシム(以上7社)
ホームページ:http://www.computerbook.jp