元祖EXAMPRESS、赤本は続くよ、いつまでも|翔泳社の本
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元祖EXAMPRESS、赤本は続くよ、いつまでも 2013.08.02

 おかげさまで今では、IT業界で翔泳社の資格書を知らない人はいないと思います(そうあってほしい!)。翔泳社の資格書=EXAMPRESS(エグザムプレス)は、この教科書メダルとEXAMPRESSのロゴでおなじみのご長寿シリーズです。

 さて、このEXAMPRESS、第1弾が刊行されたのはいつだかご存知ですか?

 正解は、IT革命前夜の1998年です! マイクロソフトの「MCSE」という資格の対策書『MCSE教科書』シリーズが4冊同時に刊行されたのがその始まりです。

 当時、IT系の資格対策書はまだ珍しく、たいへん熱い支持を受けました。MCSE教科書は途中、MCP教科書に名前が変わったものの、以来15年にわたり刊行し続けるロングシリーズとなっています。

 ちなみに、翔泳社のIT系資格書は色のパターンでシリーズ展開していますが(オラクルマスターなら「黒」、LPICなら「あずき色」、MOSなら「オレンジ」、Javaなら「紫」といった具合)、このMCSE、MCPは「赤」を基調にしています。「赤本と言えばMCP!」「MCPと言えば赤本!」といわれるゆえんです。


赤本15年の変遷


そして最新版はこれ!

 MCSEシリーズのから現在にいたるまで赤本の歴史をたどると、ご覧のように赤!赤!赤!

 時代に合わせて少しずつデザインが変わっていますが、ずっと同じ赤を使っているのです。ん?同じ赤? 黒っぽかったり、朱色がかったりして見えるけど……と思った方は鋭い! よく見ると実際にも微妙に異なっています。

 この赤色は、“特色”といって、印刷所で特別に調合して練ってもらったインクを使っています。もちろん同じ指定で練ってもらうのですが、毎回作り直すので、インクの練り方や機械の具合などによって微妙に色が異なってきてしまうんです。「もうちょっと青みを抑えて」「あーちょっと抑えすぎです」など、最後は感覚の世界になるので、とっても繊細なものなのです。

 ところで、MCPには試験ごとに「試験番号」が振られています。上記の最新シリーズだと「462」「410」なんて数字が大きく見えていますが、これが試験番号です(厳密にいうと頭に「70-」が付きます)。ギョーカイの人はそれぞれの試験のことを番号で呼ぶので、「この前さ〜、411受けて来たよ」なんていうと、かなり通っぽい感じが出せます(笑)。

 ただし、この番号、言ってみれば単なる数字なので、試験との対応が分からないとチンプンカンプンです。私が初めてMCPの担当になり、打ち合わせをしたときは、あまりの暗号っぷりに泣きそうになりました。

 「290あたりはまだまだ人気ですが、640が伸びてきているので、642も今後、注目です」なんて会話が普通に飛び交い、おまけにこの試験に付随する用語には似たようなものがたくさんあって、「MCSA」「MCTS」「MCITP」「MCDST」などがバンバン出てきます。しばらくはアンチョコ片手に話に付いていくだけで必死……という日々が続いたのは言うまでもありません。

 ともあれ、MCPの歴史とともに歩んできた赤本は、この先もまだまだ進化を遂げていきます。どうぞご期待ください!

のぐち