話題の映画をマンガで読んでみませんか?|翔泳社の本
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話題の映画をマンガで読んでみませんか? 2015.01.09

 昨年3月のある日のこと。

 上司との雑談の中で、ある映画の話になりました「台湾で大ヒットしている映画があるんだけど、その内容がすごい。日本統治時代の台湾から甲子園に初出場して、準優勝した高校野球チームの実話なんだって。その映画知ってる?」と。

 台湾の野球映画というのが気になり、グーグル先生に聞いてみると、台湾のウェブサイトが多数ヒット。少ないながら日本語での情報もありました。その映画は、『KANO(カノウ)』。

 『KANO』の舞台は、日本統治時代の台湾西南部にある嘉義。映画では、1931年に「嘉農(かのう)」と呼ばれている嘉義農林学校(現:嘉義大学)が、日本人の監督に鍛え上げられ、甲子園に初出場し、準優勝した実話を描いています。そのチームは、日本人だけでなく、台湾人や原住民もいる三民族混合チームだったそうです。

 「この映画、日本で公開されたら当たるかも……」。ストーリーが気になるので、台湾でノベライズ(小説)がないかと探してみたところ、映画を原作としたコミカライズ(マンガ)を発見しました。つたない中国語で台湾の出版社に聞いてみると、ノベライズが発売される予定はないとのこと(ちなみに現在はノベライズも発売中)。

 ちょうどその時期に行われた大阪アジアン映画祭で、『KANO』のインターナショナルプレミアがあると知り、事務局にお願いして大阪まで押しかけ、版権を検討するために、映画を見られることになりました。

 映画は3時間超という長丁場ですが、それを感じさせない巧みなストーリーで、最後は涙が止まらないほどの感動。心を打つこのストーリーを、もっとたくさんの人に知ってもらうためには「コミック」というフォーマットも使うべきなのでは?と思い、台湾の出版社と交渉を重ね、最終的に版権を取得したのです。

 制作過程は過酷なものになりました。そもそもマンガの編集をしたことがないだけでなく、台湾書籍の翻訳を手がけたこともないという未体験のことばかりで、本当にみなさんにご迷惑をおかけました。ここをお借りして、お詫び申し上げます。

 そして、先日発売されたのが『KANO 1931海の向こうの甲子園』です。台湾では3巻のコミックになっていたものを1冊にまとめ、マンガを読んだだけではわからない、史実にもとづいた日本版オリジナルの解説や映画『KANO』のプロデューサーや監督のインタビューも収録しています。1冊で480ページというボリューム満点な1冊になりました!

 この『KANO』のストーリーを通して、その昔、台湾と日本が手をたずさえて、栄光へと向かったという実話を、ぜひ知っていただければと思います。

 ちなみに、映画は2015年1月24日公開です!

こんどう

関連書籍

KANO 1931海の向こうの甲子園

魏 徳聖 陳 嘉蔚 宇野 幸一 他

1,388円+税