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白い表紙のメダル本、もうすぐ200点突破! 2012.11.29

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 延べ190点、累計およそ160万部――2001年にスタートした『情報処理教科書』シリーズが積み上げてきた数字です。1点1点を見れば決してベストセラーとは言えませんが、10年以上にわたる地道な継続の結果がこの数字になりました。

 企画当初は、心配や懸念はもちろん、反対意見もあったそうです。いわく、国家試験の学習書の分野で翔泳社は実績がない、すでに老舗はじめ競合他社がひしめいている、毎年出すものなんだから1年でやめたらカッコ悪いぞ、等々。

 最初に刊行したのは『基本情報技術者』、『初級システムアドミニストレータ』(現在の「ITパスポート」)、『テクニカルエンジニア[ネットワーク] 』(現在は「ネットワークスペシャリスト」)の3科目でした。

 平成13年度秋試験の対策書としてこの年の6月に出たのですが、平成13年秋といえば情報処理技術者試験の2度目の大改訂が行われたときでした。試験制度が大きく変わったタイミングでの参入だったので、新しいものが受け入れられたのでしょう。

 企画内容もいま振り返っても新鮮でした。解説と練習問題を一冊に詰め込んだだけでなく、付録CD-ROMを付けて、試験勉強に役立つWebサイトへのリンク集と模擬試験プログラムを収録しました。一冊の本を、教科書、問題集、さらには情報収集ツールとして使ってもらおうというわけです。

 模擬試験プログラムは、CBT(Computer Based Testing)と呼ばれて今はもう一般的になっているのと同じ形式のもので、パソコンの画面に問題を表示し、マウスで解答を選択していって、最後に採点結果が表示されるというものでした。

 長く噂されていた情報処理技術者試験のCBT化がようやく「ITパスポート」試験において実現したのが2011年末のことですから、このシリーズは10年も先走っていたことになりますね。現在はCD-ROMではなくWebアプリの形で、『ITパスポート』ほか一部の書籍で提供しています。

 3点でスタートしたシリーズも少しずつ科目を増やし、2006年に『テクニカルエンジニア[エンベデッドシステム] 』を刊行して、とうとう全14試験区分を制覇しました(当時の科目数で、2008年に改訂された現在の試験制度では全部で12です)。

 全科目コンプリートしているのは翔泳社とアイテックくらいですが、これを毎年出し続けていくのはけっこうたいへんです。試験科目や出題範囲の改訂があるときは、企画に反映すべきことがはっきりしているから楽ですが、大きな変化がないときのほうがかえってプレッシャーです。

 キャッチコピーなど考えていて煮詰まってくると、「今回の目玉は? 大改訂? リニューアル?」と追い詰める幻聴が聞こえてきたり……。

 それでも、内容面ではITの進歩や出題傾向に合わせて細かな追加や修正をしたり、レイアウトも少しずつ工夫を重ねたり、と丁寧なメンテナンスは欠かせません。

 カバーも、白地に金メダルをあしらったデザインを踏襲しながら、前年版とはっきり区別できるように少しずつ変更しています。作っていてあまり変わりばえしないなーと思うときでも、少し前の本を見るとかなり雰囲気が変わっているのがわかりますね。

 


歴代の「基本情報」を並べてみました。平成13年度秋版の写真のみ抜けています……

 さて、情報処理技術者試験センターでは毎回詳細な統計情報を公表しています。それによると、平成13年度秋期からの全試験区分の累計合格者数は1,105,823人。このうちどのくらいの人に、『情報処理教科書』シリーズは役立つことができたでしょうか。

 それは分かりませんが、このシリーズの地道な更新を読者や書店の方々が支持してくださったから、ここまで続けてこられたのだと思っています。

とものう

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