イマドキの中学生 VS 編集者?|翔泳社の本
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イマドキの中学生 VS 編集者? 2013.02.28

 突然ですが、中学生と交流してきました。

 中学教師をやっている友人がいるのですが、彼の学校では、進路指導の一環として定期的に「職業のプロに聞く会」という行事をやっているそうです。さまざまな職業に従事する社会人を招き、それぞれの職業について生徒に語ってもらうという趣旨の催しだとか。

 そこで、「出版社勤務」ということで、僕に協力依頼があったわけです。  「大切な友人の頼み、断るわけにはいかないぜ!」とは全然思いませんでしたが、中学生と触れ合える機会なんてなかなかないので、有難く引き受けることにしました。

 伺ったのは、友人が勤務する茨城県神栖市立波崎第二中学校。生徒数は一学年あたり60名ちょっとで、市内でももっとも小さな中学校だそうです。


 行く前は、ビーバップ・ハイスクールみたいな不良生徒に突然殴りかかられたらどうしよう、とにかく謝ろうなどと思っていたのですが、まったくの杞憂でした。学校に着くと、廊下ですれ違う生徒さんが、次々に「こんにちわ」と挨拶してくれます。何だか眩しくて、思わず目を逸らしそうになりました。

 さて、「職業のプロに聞く会」には、一年生の皆さんが参加してくれました。僕以外にも、レントゲン技師、保育士、パティシエなどなど、様々な分野で働いている人が招かれており、それぞれの職業について喋っていきます。

 僕も赤字を入れたゲラや、自分が作った本などを持っていき、自分なりに「編集の仕事」についてお話をさせてもらいました。ちょうど、数年前に作った『退職してトクする失業生活バイブル』という本の誌面ラフが残っていたので、それを見せたり……。後から考えたら、進路指導の行事で「失業の本」を出すのもおかしいんですけど。


 そんな僕自身の反省はさておき、今回は「編集」という仕事について見つめ直すいい機会になりました。実は事前に、「生徒から寄せられた質問」という資料をもらったのですが、そこには「なぜこの職業に就きたいと思ったんですか」「どんなときにやりがいを感じますか」「何か資格が必要ですか」「どうやって情報を集めてるんですか」などなど、さまざまな質問が書いてありました。

 普段仕事をしていると、「自分の仕事」について改めて考える機会はあまりありません。しかし今回の依頼があって以来、「編集の仕事とは」「やりがいとは」ということを、自分なりに振り返ることができました。

 ちなみに僕が考えた「編集者のやりがい」が、「いい本を作って美味しいビールを飲むこと」だったことは、生徒には秘密です。

 波崎第二中学校の生徒の皆さんおよび関係者の皆様、貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました!!

いしはら