ジェフリー・ムーア 著
高田 有現 翻訳
高田 有現 原著
斎藤 幸一 翻訳
斎藤 幸一 原著
この本を書き始めてから二年の間に、アメリカでは、本書で論じた「コア」と「コンテクスト」という考え方が盛んに議論されるようになった。コアというのは、競合相手を差別化する力を生みだす企業活動を指し、コンテクストというのはコア以外のすべて、すなわち市場から要求される水準をクリアするためだけに行われる業務を指す言葉である。最近では、このコアとコンテクストの比率が、企業の健康状態を表す裁量のバロメーターの一つになっている。このような観点から見て、わたしは日本経済に少しばかり不安を感じている。数年前までは競争相手にとってあれほど手強い存在であった日本の大企業が、肥大したコンテクストの重さにあえいでいるように見えるからだ・・・・・
-本書「日本の読者へのメッセージ」より改変-