デフレーミング戦略 アフター・プラットフォーム時代のデジタル経済の原則(高木 聡一郎)|翔泳社の本
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デフレーミング戦略 アフター・プラットフォーム時代のデジタル経済の原則


形式:
書籍
発売日:
ISBN:
9784798162782
定価:
2,200(本体2,000円+税10%)
仕様:
四六・276ページ
カテゴリ:
経営・マーケティング
キーワード:
#経営,#起業・開業,#人材・組織,#ビジネス教養
紙の書籍

本書の目的は、「デフレーミング」という概念でデジタル化がビジネスや経済に与える本質的な影響を明らかにすることです。

「デフレーミング」とは、枠(フレーム)が崩壊するという意味の造語。デジタル技術が社会経済に与える影響を理解するための共通的なフレームワークとして、ビジネスモデル、企業のビジネス戦略から、私たちの働き方、キャリア設計、学び方にいたるまで、あらゆる変化をとらえる鍵となります。

デフレーミング戦略とは、伝統的な製品、サービス、組織などの「枠」を越えて、それらの内部要素をデジタル技術で組み直すことで、ユーザーにより最適化されたサービスを提供できるようにすること。従来の「サービス」や「組織」といった「枠」がなくなる時代に、万人に受けるパッケージ化されたものから、ユーザーに個別最適化されたものに転換させ、企業という枠で仕事を受発注するのではなく、個人のスキルやリソースを個別に特定して取引するビジネスの考え方です。

本書では、その様々な現象や事例を通じて、今後のビジネスやサービスの変化を考察するとともに、近年クローズアップされている「デジタル・トランスフォーメーション」(DX)についても、それが社会に与える深い影響を、明らかにします。

【本書に出てくるトピック、キーワード】
・デフレーミングというフレームワーク
・デジタル・トランスフォーメーション
・GAFAの今後の展開
・アリババ、テンセント、LINE、WeChat、Instagram、美団、ZOZO
・個人の信用経済と決済、電子マネー
・プライバシー問題
など

◆第一部 デフレーミング戦略とは何か

第1章 「画一性による規模の経済」の終焉
 デフレーミングの定義と3つの要素
 「分解と組み換え」によるサービスの再定義
 「個別最適化」とスケールの両立
 「個人化」するサービス主体
 テクノロジー進化が生み出す資源配分の効率化
 デフレーミングは21世紀を生き抜く基本的な戦略

第2章 デフレーミングのメカニズム
 階層型組織の終わりのはじまり
 なぜ企業組織が存在するのか
 組織形態を規定する取引コスト理論
 互助機構としての企業
 成熟した組織がもたらすデメリット
 テクノロジーによる取引コストの劇的な削減
 インターネットによる個人のエンパワーメント
 プラットフォーム革命による組織の解体
 サービスの分解とデジタルによる再構築
 新個人経営時代と「神の見えざる手」の復権

◆第二部 デフレーミングのプロセス

第3章 分解と組み換え
 急成長する中国のITサービスとデフレーミング
 決済手段から芝麻信用への展開
 デフレーミングによる産業構造の組み換え
 デジタルファーストによる個別要素の再構成
 「範囲の経済」に基づく成長戦略
 インスタグラムによるソーシャルコマースへの展開
 デリバリープラットフォーム「美団」のデフレーミング
 分解と組み換えに伴う役割の変化
 APIエコノミーで実現するシームレスなサービス
 電力の識別がもたらすエネルギーのデフレーミング
 技術的フロンティアは自律的なサブシステムの連携
 デジタルツインを実現するオープンネットワーク
 どのように業務を分解すればよいのか
 「分解と組み換え」はビジネスモデルの基本戦略

第4章 個別最適化
 ニーズを大雑把に見てはいけない
 サービス化とは個別最適化である
 スケールメリットか脱コモディティか
 情報サービスのパーソナライゼーション
 製造業のマス・カスタマイゼーション
 プラットフォームによるバラエティの実現
 本当に必要なものならコストがかかってもよい
 ハードウェアも個別最適の時代
 センサー技術でインフラを個別最適化する
 地域活性化のデフレーミング
 ユーロにみる単一通貨と全体最適の問題点
 個別最適化の限界

第5章 個人化
 現代のビジネスの資源を持っているのは「個人」
 シェアリング・エコノミーは個人化の典型
 米国におけるフリーランスの増加
 プラットフォームがもたらす産業の個人化
 個人によるインフルエンサー・マーケティング
 コワーキングスペースが実現する新しい働き方
 日本でも始まった多様なコワーキングスペースの提供
 これからの産業振興は「個人」に着目する

◆第三部 デフレーミング時代の組織と個人

第6章 デフレーミング時代の「信頼」
 なぜ急成長する企業は「信頼」の問題に取り組んでいるのか
 デジタルな信頼を実現する3つの方法
 クチコミの信用度にも限界
 「信頼のインターネット」としてのブロックチェーン
 ブロックチェーンが提供する信頼とは何か
 トークンエコノミーによる信頼
 ブロックチェーンは階層型組織を不要にするか
 人間の情報処理能力を補完するための信頼の新たな形

第7章 デフレーミング時代の個人の戦略
 超高齢化社会がもたらすキャリアの長期化問題
 「終身雇用」という幻想と課題
 ベーシックインカムは技術的失業への切り札になるか
 デフレーミング時代のキャリアの原則
 インフルエンサーにみる「個性化」の必要性
 デフレーミング時代のリーダーシップ
 学び直しの重要性
 教育もパーソナライズの時代へ
 学び方を学ぶことが教育の最大の目的

第8章 デフレーミングの課題と展望
 プラットフォームの巨大化と寡占問題
 進むプラットフォームの細分化・階層化
 信用情報の集積と個人の主体性
 デフレーミングとプライバシー問題
 孤立化を防ぐコミュニティの重要性
 デフレーミング時代の新たな社会保障の仕組み
 イノベーションのゆりかごとしての「都市」の復権

本書は付属データの提供はございません。

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感想・レビュー

marusan さん

2020-10-18

超高齢化社会、少子化、教育費問題、社会保障持続性限界→安定雇用限界→来るべき時代への備えとしての個人化→YOUTUBER 今後どのように対応していけば良いか考えるきっかけをもらった