木村 元 著
■ブランド・パワーとは
ブランディングは効果検証に限界がある? 数値化できない? そんなことはありません。本書では、ブランドに対する“顧客認識の状態”を数値化し、他社と比較できる状態にしたスコアとして「ブランド・パワー」を提案。ブランド・パワーは、顧客による購買をゴールに据え、ブランドの“市場価値”ではなく、顧客から見たブランドの価値を上げていくためのKPIとなるものです。
■本書のゴール:ふわっとしたブランディングから脱却せよ
本書では、高度な数学や統計学のスキルを要したり、難しいフレームワークを用いたりすることはありません。“科学”と言いつつ、“概念”どまりだったブランド論を実務に落とし込み、ブランディング活動を数値化&トラッキングする手法「Brand Power Analytics」を解説します。これは、ブランド規模の大小を問わず、どんな企業でも実践できるものです。
■こんなマーケターにおすすめ
・中長期的にブランドを強くしていきたいと考えているが、ブランド戦略の描き方がわからない
・ブランド戦略はあるが、何がどう効いているのかわからない
・ブランディング施策のKPIとして「好感度」や「ロイヤルティ」を測っているが、売上と利益への貢献度はよくわかっていない
・以前のように広告が効かず、売上成長が頭打ちになっており、打開策が見つからない
・Howのマーケティング手法は多数取り入れているが、個別最適に留まり、ブランドそのものの成長を把握できていない
ブランディングは概念ではなく、あくまでも手法である。
手法である以上は、達成するべき特定の目的(=売上と利益を上げる)があり、またそこにたどり着くための方法や手段が明確にある――(原文より)
■著者:木村元
新卒でユニリーバに入社し、LUXやDoveなどのブランド・マーケティングに従事。異例のスピードでブランドマネージャーまでキャリアアップした後、ユニリーバの本社(ロンドン)でDoveを担当し、グローバル全体のブランド戦略設計をリードするなど、グローバル先進企業のブランディングおよびマーケティングを経験。2021年にBrandismを設立し、BtoBからBtoCまで、幅広くマーケティングのサポートを行なっている。
はじめに
序章 変革する市場で、最後に持てる最強の武器
□明日の売上なくして、未来の競争力は作られない
□単年の売上と中長期のブランド成長を追いかけられる組織体制
□売上拡大に効くドライバーは何なのか
□シェアゲーム発想のマーケティングではもう勝てない
□戦略上「適正な」ブランドが生き残れる時代に
1章 ブランディングと売上の相関関係
□ロジックツリーで分解する売上の構成要素
□ブランド・パワーでロジックツリーを再考する
2章 Brand Powerをすべての実務家のものに
□科学と言いつつ、概念どまりのブランディング
□ブランド・パワーで売上の限界を超えていく
□ブランド・パワーの構成要素
□Brand Awareness(ブランド想起)の4つの指標
□Brand Image(ブランドイメージ)を作るPOPとPOD
□Brand AwarenessとBrand Image の相互関係
3章 Brand Powerの分析手法「Brand Power Analytics」
□Brand Awareness Scoreの算出方法
□Brand Awareness Scoreの分析ファネル
□Brand Awareness Scoreと相性のよい効果測定
□Brand Image Scoreの算出方法
□Brand Image Scoreの分析チャート
□Brand Power Analyticsを始める前に
4章 Brand Powerを高める
□Brand Awareness ScoreとBrand Image Scoreの活かし方
□Brand Awareness Score×メディア戦略
□Brand Image Score×ブランドコミュニケーション戦略
5章 Brand Powerを高める(2)状況別ケースワーク
□ケース1:ブランド認知が弱く、キャズムを越えられない
□ケース2:ブランドは確立されているが、この数年売上が落ちてきている
□ケース3:新規事業や新シリーズが上手くいかない
□ケース4:その場限りの売上しかなく、ブランドが形成できていない
□ケース5:市場の成熟・コモディティ化により、ブランドが埋もれてしまう
□ケース6:広告起用のタレントやミューズにブランドイメージが引っ張られる
□ケース7:カテゴリー規模が小さく、カテゴリー自体の認知形成が必要
□番外編:ブランドが失墜してしまったら
6章 Brand Powerを高める(3)基盤となる戦略構築
□Brand Powerを用いても、売上に繋がらない時は
□マーケティングの上流戦略が必ず描けるようになる、10つのステップ
□ステップ1:セグメントの分類
□ステップ2:潜在ターゲットサイズの推計
□ステップ3:獲得難易度チェック
□ステップ4:ブランドセンスチェック
□ステップ5:プライオリティ
□ステップ6:デプスインタビュー(N1インタビュー)
□ステップ7:インサイト発掘
□ステップ8:タスクマップ
□ステップ9:コンセプトライティング
□ステップ10:コンセプトテスト&ロック
7章 「概念としてのブランディング」から次元を引き上げよ
□世界で知った「ブランド」にかける本気度
□パーパスすら、売上と利益を作る「手法」である経営としてのブランディング
□経営としてのブランディング
□おわりに
正誤表、追加情報をご確認の上、こちらよりお問い合わせください
本書の書影(表紙画像)の利用許諾申請はこちらになります
書影(表紙画像)以外の利用許諾については、「書籍に関する問い合わせ」をご利用ください