この本では、18世紀終わりの統領政府から1950年代までの時代にフランスで作られた、美しいアンティークジュエリーについて紹介します。19世紀から20世紀の前半にかけては、フランス革命後の混乱を乗り越え、フランスが名声を取り戻した時期です。ジュエリーの歴史において新しい時代となり、多様なスタイルが続々と登場しました。それらは伝統的な職人技でありながら、常にイノベーションを追い求めており、華麗な見た目以上に、精緻な技術が込められています。現代では失われた技術が使われていることが多く、現代のデザイナーにも様々なインスピレーションを与えています。
さらに、ジュエリーに用いられる宝石のカッティングやセッティングの技術、職人が何をなしたかだけでなく、当時の時代や社会、そこに生きた女性たちの姿を教えてくれます。統領政府から第一帝政、王政復古、七月王政などフランスの政治・歴史的な変遷だけでなく、古典主義やネオ・ゴシック、アール・ヌーヴォー、アール・デコなどの美術様式の変化など、時代の移り変わりのなかで、どのようにジュエリーが作られて、女性たちによって身に着けられていたのか。時代ごとのアンティークジュエリーの美しい写真やスケッチを添えて、解説しています。
また、ジュエリーの素材となる貴金属や、ダイヤモンドやエメラルド、サファイアなどをはじめとする宝石についても特徴や歴史をわかりやすくまとめ、刻印(ホールマーク)の見方などについても掲載。指輪、イヤリング、ブレスレット、ブローチ、ネックレス、ペンダント、ヘッドドレスと、アイテムの種類についても整理して紹介し、バプスト、ベルペロン、ボワヴァン、ブシュロン、カルティエ、ショーメ、デプレ、デュゾゾワ、ファリーズ、フォントネ、フーケ、フロマン=ムーリス、ラクロッシュ、ラリック、モーブッサン、メレリオ、ステルレ、タンプリエ、ヴァンクリーフ&アーペル、ヴェヴェールという、フランスの歴史的メゾン・ジュエラーについても、その来歴や変遷、デザイナーなどをまとめて紹介しています。また、鑑定や査定、購入、保険などアンティークジュエリーを実際に入手する際に役立つポイントも簡潔に紹介。まさに、入門にぴったりの一冊です。
華麗なジュエリーの写真、初公開となるスケッチや写真資料も多く多数掲載し、眺めているだけでも楽しい入門書です。
まえがき
はじめに
時代の移り変わりとジュエリー
素材
宝石
主なジュエリーの種類
メゾンとそのジュエラーやデザイナーたち
鑑定と査定、購入と販売、保険に関すること
参考文献
写真クレジット
フランス宝石学研究所について
謝辞
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