悪魔に食われろ青尾蝿(John Franklin Bardin 浅羽 莢子 浅羽 莢子)|翔泳社の本
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悪魔に食われろ青尾蝿


翻訳
原著

形式:
書籍
発売日:
ISBN:
9784881357378
定価:
2,200(本体2,000円+税10%)
仕様:
四六・264ページ
カテゴリ:

私の中に何かがいる…
戦慄の心理スリラー

今日がその日だ―退院日の朝、精神病院のベッドで目覚めたエレンは純粋な喜びを感じていた。これで愛する夫のもとに帰れるのだ。退院後、優れたハープシコード奏者であったエレンは、演奏活動を再開する。しかし、音楽も、夫との生活も、以前とはすべてが微妙に違っていた。不安に怯えるエレンの前に、ひとりの男が現れたときから、封印されていた忌まわしい過去が形をなしはじめ、彼女をめぐる暗い影は、恐怖に満ちたクライマックスへと次第に戦慄の度合いを増してゆく…。
人間心理の暗部に深く探索の針をおろし、そのあまりに突き抜けた先見性ゆえに、70年代に劇的な復権を果たすまで不当に埋もれていた本書は、読み巧者ジュリアン・シモンズが手放しで絶賛し、各種ベスト表にも選出された<幻の傑作>である。

1冊の本で、こんなに何度もぞっとさせられたのは久しぶりです。ぜひ読んでみて下さいよ。(中略)冒頭からの緊張感に満ちた不気味なタッチといい、時にカット・バックされる、過去と現実が地続きになった眩暈のするような描写といい、読んでいる方が不安を覚えるほど突き放された感触といい、うーん。これはお勧めです。
―恩田陸(巻末エッセイより)

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感想・レビュー

財布にジャック さん

2011-06-06

この作品は50年以上も前に書かれたそうですが、この凄い内容故に、アメリカでは出版拒否にあったそうです。今でこそ、二重人格をネタにした小説や映画やドラマは沢山ありますが、これはその基礎ともなった偉大な作品であることは間違いありません。凄く怖いお話なんですが、先日「ブラック・スワン」という映画を観たばかりなので、タイムリーだったようで、このサイコな世界にどっぷりと入り込むことが出来ました。おまけに恩田さんが解説で、嬉しかったです。それにしても題名が凄いインパクトで、この題名だからこそ手に取りました。

とも さん

2009-09-13

期待にたがわずとても楽しめました。奇妙なタイトルは歌の一説から。これは今ではあまり珍しくなくなったサイコサスペンスなのですが、精神病院に入院していた演奏家が退院する所から始まります。夫が迎えに来て帰宅後、全てが歪んでいるのです、前の生活の色々な部分が。途中で幻想と夢と現在と過去が入り乱れていって、ラストの方ではある趣向も。どこまでが本当の話かとずうっと目を見開いていました。現代だと珍しくないと思う事も当時は斬新だったのでしょう。浅羽さん訳の嬉しさプラス最後恩田陸解説があったのも思いがけないおまけ。

しろ さん

2011-08-17

☆6 なるほど、たしかに古い作品とは思えないプロットだと思う。でも少し読みにくさはあった。ただでさえ混乱しやすいネタに、カットバックが豊富な演出だからかな。だからこそ不気味でしっくりこない雰囲気を醸し出していて、効果的にクライマックスに持っていけていたとも思う。いろんな映画作品を観てみても、こういう二重人格ネタの雰囲気作りは英米が上手い気がする。日本はどちらかというとトリックに組み込むのが上手い、かな。そういえば、恩田さんが解説をしていたのも嬉しかった。