株式会社翔泳社(本社:東京都新宿区舟町5、社長:佐々木幹夫)は、書籍『ニヒリズムとテクノロジー』(ノーレン・ガーツ/著)を2021年8月5日に発売します。本書は、SNSや動画サービスなどを題材に、ニヒリズムの観点からテクノロジーと人間の関係について考察した、挑戦的「思想実験」の書です。
         


現代テクノロジー人を虚無(ニヒリズム)へ導くのか

テクノロジーは様々な問題を解決し、人間の生活を大きく変化させてきました。それとともに、私たちの生活はどんどんテクノロジーへ依存するようにもなっています。
本書は、オランダで応用哲学を研究するノーレン・ガーツ氏が、ニーチェが分析したニヒリズムの観点から、テクノロジーと人間の関係を読み解いた1冊です。

著者は、FacebookやTwitter、YouTube、Netflix、Google、Uber、Pokemon GOなどの人気サービスや、その背景にあるARやVR、アルゴリズム、AIなどのテクノロジーが、どのように人を虚無(ニヒリズム)へ導くかを解説します。
テクノロジーへの批判的な視線から、人類がどのようにテクノロジーと共生していくべきなのか?を考えてみませんか。


あらゆる人のための、そして誰のためのものでもない1冊(本書まえがきより)

ニーチェが分析していたのはテクノロジーではなく、道徳や宗教とニヒリズムの関係だが、この分析はテクノロジーにも当てはまる。
私たちは、テクノロジーを通じて倫理的な目標を追求している。テクノロジーはユーザーの信仰を育み、ユーザーの献身を引き出している。こうした構図から、テクノロジーにニーチェの哲学・思想が当てはまると確信した。
もう少し一般化して言うと、ニーチェが問題視していたのは、「キリスト教道徳の世界」と、現代の「テクノロジーがモラルに影響を与える世界」に共通する「問題解決の思考」の中心にある、生を否定するニヒリズムなのである。

本書はニーチェの思想に対する新たな解釈を探るものではない。
人とテクノロジーの関係について、ニーチェの哲学をヒントに、その優れた批判的視点を養うことを目指したものだ。

この本は学術面でも文化面でも、対象とするグループを特定していない。
ニーチェ流に言うと、本書はあらゆる人のための、そして誰のためのものでもない1冊の書である。


■書籍概要
ニヒリズムとテクノロジー
著者:ノーレン・ガーツ  翻訳者:南沢 篤花
発売日:2021年8月5日
定価:2,970円(本体2,700円+税10%)
判型:四六・464ページ
ISBN: 9784798161952
https://www.shoeisha.co.jp/book/detail/9784798161952

全国の書店、ネット書店などでご購入いただけます
・翔泳社の通販 SEshop: https://www.seshop.com/product/detail/24565
・Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4798161950


■目次

第1章 ニーチェなら現代テクノロジーをどう見るか?
第2章 ニヒリズムとテクノロジーの関係
第3章 ハイデガーの技術論への反論とポスト現象学
第4章 ニヒリズムと「催眠」テクノロジー
第5章 ニヒリズムと「データドリブン」テクノロジー
第6章 ニヒリズムと「娯楽経済」テクノロジー
第7章 ニヒリズムと「畜群ネットワーク」テクノロジー
第8章 ニヒリズムと「狂乱」テクノロジー
第9章 神は死んだ グーグルも死んだ


■著者について

ノーレン・ガーツ(Nolen Gertz)
トゥエンテ大学 助教授(応用哲学)。4TU. Centre for Ethics and Technology(オランダ4大学の科学哲学分野の共同研究会)上級研究員。著書に『The Philosophy of War and Exile』(2014年)がある(未邦訳)。『アトランティック』、『ワシントン・ポスト』、『ABC Australia』に研究記事掲載。ニヒリズムとテクノロジーの関係についての研究は、Twitter(@ethicistforhire)で発信している。