編集者というと、どんなイメージをお持ちでしょうか。
机の上には本と原稿の束が積み上がり、灰皿はシケモクの山、毎晩のように終電だ徹夜だの夜型仕事、同業の仲間と飲むのはゴールデン街で夜明けまで、著者と飲むのもお仕事さ……とまぁ、こんな不健康が当たり前の生活を続ける昭和の編集者は私も含めて少し前までいっぱいいたのですが、時代はずいぶん変わりました。
InDesignとPDFがすっかり当たり前になった今では、夜中にバイク便を呼ぶとか、印刷所に出張校正に行くなんてのも含めて昔話です。
30代前半までにそんなド腐れ生活を経験し、飲み友達の数なら誰にも負けないが、恥ずかしい失敗も数知れずという私でしたが、時は流れ、妻子を持ち、ずいぶん大人しくなりました。
それでも、タバコやお酒と仲良しなのはそのままに40代に突入すれば、メタボ・成人病まっしぐらなのは当然のことです。健康診断のたびに嬉しくない知らせをもらっても「まぁ仕方ないよな」と気にとめもなかった私に、ついに事件が起こったのです。
ある日、人間ドックを受けたクリニックから呼び出され、医師から「Sさん、肺に白い陰がありますよ」と言われたのです!こいつはホントにファイナルカウントダウンかと青くなりました。後日、人間ドックのレントゲンよりも精度の高いマルチスライスCTで特に問題なしと言われるまで生きた心地がしませんでした。
これでついに禁煙を決心し、禁煙外来に通いました。禁煙は決して楽ではないまでもうまくいきました。しかし、ここでさらに落とし穴があったのです。
禁煙外来の医師は内科医で「Sさん、禁煙はいったん置いといて、糖尿病のほうをなんとかしませんか?」とか言うのです。なんて意地悪な!とは思いましたが、これが本当のことでした。禁煙の口寂しさで甘い物を食べまくって、もはや予備軍とは言えないくらい糖尿病の数値が悪化していたのです。
それでも放置していた私にさらに追い打ちが……。三大成人病をカバーした保険に加入しようとしたら、保険会社からダメ出しがきたのです。ついに社会から完全な病人と認定されてしまったのです。
こうなると「編集者なんて不健康なくらいが普通でしょ」とうそぶいてもいられなくなってきました。なんか酔っぱらい方もおかしくなってきて、家で飲んでいて寝落ちが増えてきたのも変な感じです。
さぁどうしたものか。普通に考えれば簡単には解決しなそうな問題ですが、なんと3ヶ月でこの悩みをほとんどクリアしてしまったのです!
長くなったので、詳しくは次回お話したいと思います。
さとう