職場、家庭、サークル、近所づきあいで避けては通れないコミュニケーション。
「うまく意思疎通できない」「認識がすれ違っている」「話がかみ合わない」といった経験はないでしょうか。
この本では「コミュ障のかたまり」を自認する著者(大学教員の横道誠とYouTuberのだいまりこ)が、コミュニケーションの困難さを乗り越えるべくどのようにふるまってきたのかを実体験に即して語りあいます。
ふたりがもっているコミュニケーション困難を乗り越える技法として「言いっぱなし聞きっぱなし」「リフレクティング」「ホワイトボードに板書」などの5つを対話形式で実演しながら紹介します。
さらに「前向きに諦める」「弱さの情報公開」「自由の相互承認」といった、つらさを和らげるティップスも満載です。
コミュニケーションの困難さを自力で克服するのではなく、他者との関係性の中で共に解決していく「他力」の知恵を学べる新しいコミュニケーションスキル本です。
・はじめてチームリーダーになった人
・チームメンバーともう少し楽にコミュニケーションしたい人
・話の輪に入れずに自分が少し浮いているように感じる人
・コミュニケーションに悩むメンバーを助けたい人
・ケア現場で活用されている技法に興味がある人
といったような方々にぜひとっていただきたい一冊です。
【目次概要】
第1章 コミュニケーションって大変です――知られざる対話の技法をさぐる
第2章 相手がまるごとわかるようになる――「やわらかいインタビュー」の技法
第3章 悩みごとが開かれる――「言いっぱなし聞きっぱなし」の技法
第4章 課題と人が切り離される――「ホワイトボードに板書」の技法
第5章 仲間の思考が深まる――「リフレクティング」の技法
第6章 お互いがリスペクトしあえるようになる――「学術研究」の技法
はじめに
第1章 コミュニケーションって大変です――知られざる対話の技法をさぐる
精神疾患ということ、コミュ障ということ
バラバラの声が共存するポリフォニー
定型発達の人と発達障害の人は違う文化ルーツ
他者を内側から理解しようとする
ルールは自由の根拠
質疑応答
質問1 天気の話はなんのために?
質問2 SNS上でのコミュニケーションの限度はある?
質問3 ほんとうに他者を内側から理解できるの?
質問4 怒りっぽい人を内側から理解してみる
質問5 支援者から対等に見てもらえない!
質問6 劣等感は治るものなのか?
質問7 雑談サバイバル!
第2章 相手がまるごとわかるようになる――「やわらかいインタビュー」の技法
ふたりで一緒に海の底に潜っていく
質問は順序が肝
俗世を超えて究極的なものに到達する
弱さの情報公開
理想は「アクティブ・インタビュー」
質疑応答
質問1 声質とインタビューに関係はあるの?
質問2 センシティブな話を引き出す方法は?
質問3 当事者同士の距離感はどうとるか?
質問4 ビジネス世界の最前線で生きる人についてどう思うか?
質問5 ビジネス対話をやってはどうか?
質問6 どのようなルールを導入するか?
第3章 悩みごとが開かれる――「言いっぱなし聞きっぱなし」の技法
苦しみのサイズ感がわかると安心する
アルコールにハマるより神様にハマるほうが安全
他者は苦悩を共有している自分の分身
家族、友人、知人、支援者は当事者の環境そのもの
実演1「言いっぱなし聞きっぱなし」――横道の場合
実演2「言いっぱなし聞きっぱなし」――だいの場合
自分の物語はつねに他者との物語
質疑応答
質問1 ボディランゲージで話し手に応じても良いの?
質問2 なにも言えないようなやばい話には、どのように応じれば良いの?
質問3 聞き手としてどのような心構えでいれば良いの?
質問4 職場で運用する際に注意すべきことは?
第4章 課題と人が切り離される――「ホワイトボードに板書」の技法
人生の物語を書きなおす
恨みの物語からの解放
実演1「ホワイトボードに板書」――だいの場合
実演2「ホワイトボードに板書」――横道の場合
吐き出せる場があることが大事
質疑応答
質問1 自分のコメントが他人を傷つけてしまっていることはない?
質問2 炎上はプラス? それともマイナス?
質問3 身近な人に悩み相談をすることの危険性
質問4 ホワイトボードに板書する人と司会者はべつの人がやるのが良いの?
質問5 当事者研究にホワイトボードは必須?
質問6 ムーミンのキャラクターのニョロニョロにモデルはいるの?
第5章 仲間の思考が深まる――「リフレクティング」の技法
患者のいないところで患者の話をしない
言葉のケアをつづけているとやがてセラピーが生じる
オープンダイアローグ的対話実践のグラウンドルール
リフレクティングを本場のオープンダイアローグ以上に重ねる
意思疎通の回路がひらかれる
実践「オープンダイアローグ」――だいの場合
1回目のリフレクティング
1回目のリフレクティングに対する応答
2回目のリフレクティング
2回目のリフレクティングへの応答
悲しいけど明るさがある感じ
話すことを赦される場
古傷は時とともに癒えるか?
困りごとの語りが話芸へと進化してゆく
質疑応答
質問1 精神的な疾患を認めたがらない本人にはどのように受け入れてもらえばいいの?
質問2 ビジネスシーンでケアのコミュニケーション技法はどのように活用できる?
第6章 お互いがリスペクトしあえるようになる――「学術研究」の技法
どうしてもっとお互いのことを尊重できないのだろうか
おまえが死ぬか、おれが死ぬかの決闘になる
見解を違えても抑圧的な振るまいをしない
批判は検証であり建設的な営み
年齢は関係なく自分たちは対等な立場
学術世界の悪しき伝統
人類のもっともすばらしい発明
寛容を否定するものに対して寛容であろうとすると、寛容が崩壊する
質疑応答
質問1 どうすればリスペクトが生まれ、育まれるの?
質問2 否定されたことをどのように自分のなかでプラスに捉えれば良いの?
質問3 仕事ができない人に限って大学院にいくってほんとう?
質問4 相手をリスペクトしながら距離を縮めるにはどうすれば良いの?
質問5 学生との面談、どこまで立ち入るべき?
質問6 忍耐ではなく寛容でいられるにはどうすれば良い?
質問7 子ども同士はお互いにリスペクトできる?
おわりに 自己嫌悪からの解放
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