『ゲームメカニクス大全』が解説する、ゲームの面白さを生み出すための仕掛け|翔泳社の本

『ゲームメカニクス大全』が解説する、ゲームの面白さを生み出すための仕掛け

2020/11/09 07:00

 デジタルゲームが発展し続けている一方で、ボードゲームの人気も高まっています。ゲームの魅力はその面白さにありますが、ではなぜゲームは面白いのでしょうか。仕組みを知ることができれば、ゲームだけでなく様々なプロダクトに応用が可能になります。今回はボードゲームのメカニクスを184つに分類して解説した『ゲームメカニクス大全』(翔泳社)から、3つのメカニクス──「対戦ゲーム」「協力ゲーム」「封印入札オークション」を紹介します。

本記事は『ゲームメカニクス大全 ボードゲームに学ぶ「おもしろさ」の仕掛け』から一部を抜粋したものです。掲載にあたり編集しています。

STR-01:対戦ゲーム(Competitive Games)

概要

対戦ゲーム

 2人以上のプレイヤーで行い、勝者が1人だけいるメカニクス。

解説

 本メカニクスは最もなじみのあるゲーム構造であり、私たちは幼少期から『キャンディランド』や『ヘビとはしご』のようなゲームで出会っているはずだ。そして依然として、市場に出回っている卓上ゲームの大部分はこの種の対戦ゲームである。

 これらには通常、「期待の対称性」がある。つまり、異常な運やスキルの影響は別として、各プレイヤーは勝利のチャンスがほぼ同等な状態でゲームを開始することになるのだ。この取り決めが破られると、ゲームは「不均衡だ」と見なされ、「壊れた」というラベルが付けられることさえある。 「ACT-12:バリアブル・プレイヤーパワー」や「UNC-10:バリアブル・セットアップ」で後述するように、実際にはプレイヤーの陣営と開始条件は完全に対称でも大きく非対称でもよいのだが、いずれの場合も、各プレイヤーがほぼ均等に勝利する機会を持っていることが重要である。

 多くのゲームは、『チェス』における「先手有利」や、テニスにおける「サービス側有利」のように非対称であり、それはゲーム内のバランスだけでは解決できない。対戦ゲームは、「トーナメント制」などのメタ構造(ゲームルール外のメカニクス)を通じて、こうした「有利不利のバランス」を保ち、多くの場合、各プレイヤーに同じ回数だけ、自らに有利な位置や状況からプレイする機会を与えている。

 しかしマルチプレイヤーゲームでは、このような対応は現実的ではないかもしれない。そこで例えば、『コントラクトブリッジ/ブリッジ』では「ビッド」、『ポーカー』では「ベット」、他にも『ディプロマシー』では「初期同盟」といった形で、感覚的であったり実際に問題になったりする「不公平感」に対してバランスを取る機会が与えられることもある。

 対戦ゲームにおいて、「バランスに関する取り決め」は「勝利の決定方法」や「タイブレイク(引き分けの解決)」など、関連する数多くの問題も同時に提起することとなる。特にタイブレイクは興味深いが、それは対戦ゲームで勝者を決めるため、誰がよりよいプレイだったか、私たちプレイヤーにわかる形で情報を保存しておかなければならないためである。

 もちろん、このような情報が利用できないゲームも多い。そういった場合、タイとなったプレイヤーのうち「誰のプレイが最もよかったか」を合理的に判断するために必要な情報、つまり「誰が最も多く勝利点を獲得したか」「誰が最初にゴールラインを越えたか」以外の「関連する情報」が得られないかもしれない。しかしそれでも、対戦ゲームでは「勝利を分かちあうゲーム」を良しとしないプレイヤーが多いのも事実だ。

 経験を重視するデザイナーは、プレイヤーにとって他のプレイ体験と比べてゲームの終わり方が「印象的な記憶」となる傾向があることを考慮すべきであり、優柔不断な終わり方を避けるように努めるべきだと言えよう。

参考となるゲーム

『アクワイア』("Acquire":シド・サクソン、1964年)
『キャンディランド』("Candyland":エレノア・アボット、1949年)
『チェス』("Chess":作者不明、~1200年頃)
『ヘビとはしご』("Chutes and Ladders/Snakes & Ladders":作者不明、~紀元前200年頃)
『ディプロマシー』("Diplomacy":アラン・カラマー、1959年)

STR-02:協力ゲーム(Cooperative Games)

概要

協力ゲーム

 プレイヤーが共通の勝利条件を達成するためにアクションを調整するメカニクス。プレイヤー全員が「一緒に」ゲームに勝つか負ける。

解説

 チーム戦ゲーム、「1対多」ゲーム、ロールプレイングゲーム、「秘密の裏切り者」がいるゲームなど、プレイヤー間の協力プレイが必要なゲームは少なからず存在する。これらは、協力ゲームのカテゴリに属していると見なすこともでき、また同様にソロゲームさえこのグループに含める人もいる。しかし本書では、これらはそれぞれ別々のカテゴリとして扱い、本項では「プレイヤー全員が一方の側でプレイし、グループとして勝つか負ける」ような「純粋な」協力ゲームに限定する。

 マット・リーコックが『パンデミック』をリリースした2008年以降、協力型の卓上ゲームのジャンルが爆発的に広がった。それ以前にも『シャーロックホームズ10の怪事件』『アーカム・ホラー』『ロード・オブ・ザ・リング ~指輪物語~』といった初期のゲームが基礎を築き、長らく人気を博していたが、リーコックは協力ゲームに革新の波を起こし、10年以上にわたって現代のゲームに変革をもたらし続けている。

 協力ゲームは、「ゲームへの参入障壁を下げる」という点で注目に値する。対戦ゲームでスキルレベルの格差があると、エキスパートであっても初心者であっても苦い経験をしてしまうことが多い。複雑な対戦ゲームは初心者にとって脅威であり、「敵に塩を送る」ようなインセンティブが足りないために、対戦相手が助言することが「相手に損をさせる」ようなプレイダイナミクス(ゲーム内力学)をもたらしてしまう。また、プレイヤー間の実力が不均衡だと、人間関係にひびが入ってしまうこともありうる。

 これに対し、協力ゲームは皆が同じチームの「仲間」となるため、経験豊富なプレイヤーが、「対立」というインセンティブに直面することなく、初心者に「ゲームのメカニクス」と「戦略」の両方を教えることができる。初心者にとって、協力ゲームは「ゲームの入り口」になるだけでなく、「ゲームを継続していく原動力」にもなるのだ。

 協力ゲームは大きく2つのカテゴリに分類できる。AI(人工知能)ゲームと、非AIゲームである。『センチネル・オブ・マルチバース』や『マイス&ミスティクス』のようなAIを用いる協力ゲームには、「プレイヤーが立ち向かうべき敵がいる」という特徴があり、敵の行動は、デザイナーによってプログラムされた単純な「人工知能的なもの」によって管理されている。

『センチネル・オブ・マルチバース』のAIは、敵の悪役と、敵が狙うプレイヤーの行動を支配するカードデッキによって駆動する。『マイス&ミスティクス』には、敵フィギュアをプレイヤーがコントロールする単純なアルゴリズムが用意されている。アントワン・ボザの革新的タイトルである『花火』や、『ミステリウム』などは非AIゲームである。解決すべきパズルとともに、時間/リソース/インタラクション(相互作用)を制限する。しかし、これらのゲームには、アクションを駆動してプレイヤーに積極的に対抗する悪役や敵対勢力はいない。

 協力ゲームは他にも、

  • 各プレイヤーがゲーム内のリソース/アクション/選択肢について主体的である
  • 名目上別々のゲーム内キャラクターを担当していても、すべての決定に対して全員の同意が必要である

 という二者に分類できる。本書では、前者を「パートナーシップゲーム」、後者を「コラボレーションゲーム」と呼ぶ。一般的に、ルールによってコラボレーションが具体的かつ実質的に妨げられ、全員が同意できず各自が独立して決定することを余儀なくされる場合を除き、協力ゲームはコラボレーションしてプレイされることが多い。そのときコミュニケーションや時間、焦点は制限されたものになる。

 このコラボレーションが、プレイヤーによっては「入れ知恵(クオーターバッキング)」とも呼ばれる「奉行問題」の一因となりうる。つまり、一部のプレイヤーがグループディスカッションや意思決定を支配し、他のプレイヤーをないがしろにすることで、プレイ体験がネガティブなものになりかねないのだ。奉行問題が発生する理由や、奉行問題が顕在化する多くの道筋、奉行問題をもたらす人間関係については、本書の範囲を超えるため論じない。

 プレイヤーやデザイナーによっては、「奉行問題はデザイン上の問題ではなく、メンバー構成であったり、プレイヤーが前提を共有していないために起こる問題だ」という考えもあるが、デザインの選択によって、奉行に乗っ取られやすいゲームになることも事実だ。特に、すべてのプレイヤーが同じ情報を共有し、ゲーム状況があまり複雑でない場合、奉行問題が起こる傾向が見られる。

 また、この対極に位置するものとして、奉行が乗っ取ることができないゲームがある。『マジックメイズ』などのゲームでは、プレイヤーのコミュニケーション方法自体がゲームメカニクスになっており、自由に情報を共有したり、どのようにプレイするかを互いにアドバイスしたりすることはできない。

『ザ・マインド』はその極致で、手札の内容について、いかなるコミュニケーションも禁止されている。このようなタイプのコミュニケーション制限は、他のルールと同様にルールとして記載されているかもしれないが、実際にはどの行為が許され、どの行為が許されないか、明確な境界線は設けられない。

 むしろこのようなゲームは、許容されるコミュニケーションの境界線が「暗黙の」または「明示的な」合意によって変化するので、グループ(パーティー)により多少は異なったプレイができる。このようなアプローチには賛否両論あり、この種のゲームを完全に拒否したり、果たしてゲームなのか疑念を抱いたりするプレイヤーもいる。とはいえ、このようなコミュニケーションの制限は信じられない経験を生み出し、ほとんど神秘的と言ってよいレベルで参加者を互いに結び付けるポテンシャルを秘めている。

 しかし、コミュニケーションの制限は、プレイヤーの同意に基づいたプレイをしづらくするための1つのアプローチにすぎない。例えば『スペース・カデット-宇宙訓練生』『スペース・アラート』『ヒューズ/フューズ』ではリアルタイム要素が導入され、プレイヤーは話しあう時間がなく、各自が独立して決定しなければならない。

 他にも、プレイヤーをそれぞれの役割に強く結び付けたり、非公開情報を持たせたり、役割の操作を特別複雑にしたりするゲームもある。『メカ vs ミニオン』と『スピリットアイランド』はどちらも、各自が互いの能力と可能性を解読するのが困難である。『センチネル・オブ・マルチバース』は、各プレイヤーに独自の構築済みデッキを与えて同様のことを試みている。『T.I.M.E ストーリーズ』から『EXIT 脱出:ザ・ゲーム』『アンロック!』シリーズなどの脱出ゲームでも、あまりに具体的な情報の共有は禁じられている。

 このようなゲームが提供するさまざまな課題やパズル、そしてそれらを解決するためにプレイヤーが果たすさまざまな役割でさえ、そのすべてが、ゲームに参加して全員が満足できることに確実に役立っている。

 協力ゲームデザインにおけるもう1つの注目すべきトレンドは、デジタルアプリを活用して、「1対多」や「オーバーロード」形式のゲームを協力ゲームに変えることである。『マンション・オブ・マッドネス第2版』や『スターウォーズ インペリアル・アサルト』はどちらも、デジタルアプリを用いて協力型のプレイができるようになっている。より一般的なものとしては、対戦モードとともに、協力モードやソロモードも用意されたゲームがリリースされている。『オルレアン』や『オー・マイ・グーッズ!』のように、対戦ゲームの拡張セットとして協力モードが導入されるときもある。

 協力ゲームとその可能性についてデザインを探求し続けることは、今日、卓上ゲームで最もエキサイティングで実りあるトレンドの一つである。デザイナーは奮って、ポピュラーで応用が効くこのゲームメカニクスを試してみるとよいだろう。

参考となるゲーム

『アーカム・ホラー』("Arkham Horror:":チャーリー・クランク/リチャード・ラウニウス/サンディ・ピーターセン/リン・ウィリス、1987年)
『EXIT 脱出:ザ・ゲーム』("Exit: The Game":インカ・ブラント/マルクス・ブラント、2016年)
『ヒューズ/フューズ』("FUSE":ケーン・クレンコ、2015年)
『花火』("Hanabi":アントワン・ボザ、2010年)
『ロード・オブ・ザ・リング ~指輪物語~』("Lord of the Rings":ライナー・クニツィア、2000年)
『マジックメイズ』("Magic Maze":カスパー・ラップ、2017年)
『マンション・オブ・マッドネス第2版』("Mansions of Madness: Second Edition":ニッキー・ヴァレンス、2016年)
『メカ vs ミニオン』("Mechs vs. Minions":クリス・カントレル/リック・エルンスト/ストーン・リブランデ/Prashant Saraswat/Nathan Tiras、2016年)
『マイス&ミスティクス』("Mice and Mystics":ジェリー・ホーソーン、2012年)
『ザ・マインド』("The Mind":ヴォルフガング・ヴァルシュ、2018年)
『ミステリウム』("Mysterium":アレクサンドル・ネフスキー/オレグ・シドレンコ、2015年)
『オー・マイ・グーッズ!』("Oh My Goods!":アレクサンダー・プフィスター、2015年)
『オルレアン』("Orléans":ライナー・シュトックハウゼン、2014年)
『パンデミック』("Pandemic":マット・リーコック、2008年)および『パンデミック』シリーズ
『センチネル・オブ・マルチバース』("Sentinels of the Multiverse":クリストファー・バデル/ポール・ベンダー/アダム・レボッタロ、2011年)
『シャーロックホームズ10の怪事件』("Sherlock Holmes Consulting Detective: The Thames Murders & Other Cases":Raymond Edwards/Suzanne Goldberg/Gary Grady、1981年)
『スペース・アラート』("Space Alert":ヴラーダ・フヴァチル、2008年)
『スペース・カデット-宇宙訓練生』("Space Cadets":ジェフリー・エンゲルステーン/ブライアン・エンゲルステーン/シドニー・エンゲルステーン、2012年)
『スピリットアイランド』("Spirit Island":R.エリック・ロス、2017年)
『スターウォーズ インペリアル・アサルト』("Star Wars: Imperial Assault":ジャスティン・ケンパイネン/コリー・コニエツカ/ジョナサン・イン、2014年)
『T.I.M.E ストーリーズ』("T.I.M.E Stories":ペギー・シャスネ/マヌエル・ロゾワ、2015年)
『アンロック!』シリーズ("Unlock! series":作者多数、2017年)

AUC-04:封印入札オークション(Sealed-Bid Auction)

概要

封印入札オークション

 プレイヤーが秘密裏に入札するメカニクス。すべての入札を一斉に公開し、最高額入札者が落札する。

解説

 封印入札オークションは「ブラインド(見ないで行う)・オークション」とも呼ばれ、オークションの興奮のすべてを、一斉公開する前の「入札額を決める緊張の瞬間」に圧縮する。デザイナーに好まれるのはこの特徴とスピード感によるものだ。オークションが大規模なゲームのサブシステムになっているゲームや、たくさんのオークションが連続するゲームでは、封印入札オークションのシステムだけで事足りる。

 その好例が『ゲーム オブ スローンズ/七王国の玉座』であり、数ターンごとに 3つのオークションが連続して行われる。このオークションではプレイヤーに特殊能力が割り当てられ、迅速かつ明白に決まるものでなければならない。ゲームの残りの部分には複雑で時間のかかる計画や交渉、「部隊の移動」があるからだ。

 封印入札オークションは、他の反復型入札システムにあるような「情報評価」の一部を犠牲にする。落札できないと正しく判断したプレイヤーは、他のプレイヤーに自分の本当の評価を知られないように、「何も入札しない」か、「申し訳程度の入札しかしない」ことがよくある。こうなるのはデザイナーの意図やデザインの必要性によって特長にもバグにもなりうるが、このメカニクスを採用する際にはこの点を心にとどめておくとよいだろう。

 封印入札システムでは同額入札を防ぐことができないため、通常は何らかのタイブレイク(同額処理)が必要となる。タイブレイクの方法にはさまざまなものがある。前述の『ゲーム オブ スローンズ/七王国の玉座』では、入札する能力の中に「タイブレイク」という能力がある。この能力はゲームの最初から誰かが持っている。

 他にも一般的なタイブレイクとして、ターンオーダーや現在の得点の逆順(キャッチ・ザ・リーダーメカニクスの一種)などがある。『Spartacus: A Game of Blood and Treachery』や『コンテナ』のように、「同額のプレイヤーで再入札を行う」というゲームもある。『フィストオブドラゴンストーンズ/ドラゴンストーン』では、再入札専用の特別な通貨を使ってタイブレイクを行う。このアプローチは明白だが、封印入札でせっかく短縮した入札の手続きがまた長引いてしまう。

 封印入札で人間工学的に考慮するべきことは、通貨そのものである。封印入札の最も簡単な方法は、握ったこぶしの中に通貨を入れることである。デザイナーは通貨のサイズと材質を慎重に検討して、「ほとんどの人の手にフィットし、トークンが重ねてつかみやすく、手のひらの汗に対して少なくともある程度の耐性がある」ことを確認するべきだ。封印入札の他のアプローチとしては、『デューン』のようにダイヤルで値をセットしたり、『タイニー・エピック・キングダム』のようにダイスで値をセットしたり、『モダンアート』のようについたての後ろで入札したりする方法もある。

 封印入札オークションは戦闘の解決にも用いられることが多い。『デューン』と『タイニー・エピック・キングダム』では軍事力を入札し、いろいろな効果で値を変更し、軍事衝突の勝者を決める。『サイズ-大鎌戦役-』にも同様のオークションがあるが、プレイヤーは実際の軍隊を入札するのではなく、メカに動力を与えるリソースを入札する。

 封印入札は、他のタイプのオークションと比べて「落札できなかった人にも支払いが求められる」という実装になりがちである(そのため「オールペイ(全員払い)・オークション」と呼ばれることもある)。これは、入札が商品の購入ではなく戦闘を表すなら、よりテーマに合うことだろう。落札できなかった入札が戦闘の損失を表すときには意味があるが、入札が消失しても見返りの商品が手に入らないときには意味がないからだ。

 オールペイ・オークションはゲーム理論ではとりわけ「選挙」や「政争」のモデルとして使われており、『ゲーム オブ スローンズ/七王国の玉座』で用いられるのはふさわしいと言えよう。オールペイ・オークションにはデザインの可能性が多くあるが、プレイヤーはこのようなオークションに強くネガティブな反応を示すことが多いので、注意して進めよう。

『フォーセール』(封印入札ではなく、ターンオーダーオークションだが)のように、「落札できなければ半額を支払う」というバリエーションで解決する方法もあるが、皮肉にもこれが高額入札のインセンティブになることにも注意したい。

参考となるゲーム

『コンテナ』("Container":フランツ・ベノ・デロンジェ/トーマス・エワート、2007年)
『デューン』("Dune":ビル・エベーレ/ジャック・キットリッジ/ピーター・オロトカ、1979年)
『フィジー』("Fiji":フリーデマン・フリーゼ、2006年)
『フィストオブドラゴンストーンズ/ドラゴンストーン』("Fist of Dragonstones":ブルーノ・フェイドゥッティ/ミヒャエル・シャハト、2002年)
『フォーセール』("For Sale":シュテファン・ドラ、1997年)
『ゲーム オブ スローンズ/七王国の玉座』("A Game of Thrones":クリスチャン・ペーターセン/ケヴィン・ウィルソン、2003年)
『モダンアート』("Modern Art":ライナー・クニツィア、1992年)
『サイズ-大鎌戦役-』("Scythe":ジェイミー・ステグマイアー、2016年)
『Spartacus: A Game of Blood and Treachery』(アーロン・ディル/ジョン・コヴァレスキー/ショーン・スウィーガート、2012年)
『タイニー・エピック・キングダム』("Tiny Epic Kingdoms":スコット・アルメス、2014年)

ゲームメカニクス大全

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ゲームメカニクス大全
ボードゲームに学ぶ「おもしろさ」の仕掛け

著者:Geoffrey Engelstein、Isaac Shalec
翻訳:小野卓也
発売日:2020年10月12日(月)
定価:3,980円+税

本書について

古典的なカードゲームから現代のアプリ連携ゲームまで、数多のボードゲームがどのようにデザインされているのか、ゲームの「メカニクス」を徹底的に分解し、知識体系を構築しようとした野心的な一冊。